政策:1.健康で明るい老後
日本一の長寿県、長野からつくる生涯現役社会。
- 高齢者の雇用拡大
- 医療・介護事業の規制緩和
- 家族の絆を強める税制
私は、日本一の長寿県、長野から「生涯現役社会」を創ります。
私たちの老後は、「何をしてもらうか」ではなく、豊富な人生経験を活かし、「何を日本や世界に提供できるか」で光り輝かせることができます。「生涯現役」。輝くのは「今でしょ!」。
長野が救う!? 国家財政
平成24年の介護保険額は8.9兆円。毎年約20%の上昇している状態だ。このまま行くと2025年には20兆円にまで膨らむと考えられる。その背景には、要介護者が530万人。その内、要介護レベル4、5の方々が、なんと127万人。これも10年後には2倍に達するのではないかと言われている。
そうなると国家予算100兆円の現状では、国家財政が破綻してしまうことは明らかだ。
国家財政が破綻してしまう前に、なんとか食い止める方法はないか?と考えた時に、介護保険にお世話にならない生活が生涯できるんだと、長野県から発信していくのもいいのではないか、長野県ならばそのいいモデルになるのではないかと、以前から考えていたことがあった。
高齢者の就業と長寿、少ない老人医療費の関係
なんと私の住む長野県は、男女ともに長寿日本一。男性に至っては4年連続日本一でもある。この長寿を支える要因がふたつあると考えられている。まずは食生活の改善だ。寒い期間の長い長野県では、どうしてもかつては保存食に頼る傾向が強くて、そうなると塩分摂取量が増えてしまっていた。ここ数年、食生活の改善に努めた結果、これも驚くのだが、20歳以上の男女の野菜摂取量は日本一となった。
それから、もうひとつは65歳以上の高齢者の就業率(有業率)が日本一であるということだ。元気に働く→病気をしにくくなる→医療費の負担が減る。老人医療費が少ない県で平成23年には全国4位。過去は日本一であったこともしばしばあった。
そういった長野県の他県にはあまり類を見ない特徴にはいろいろな理由が考えられる。豊かな自然と特産品に恵まれた場所。例えば、日本一美しい村連合に登録している村が7つで日本一。3000m以上の山の数日本一。野菜、果物、養蜂などといった分野でも日本一を誇るものをたくさん持っているのだ。それに加えて、昔から産業面でも、精密機械や電子産業などの優秀な企業群も立地している。また、長野県民の勤勉な県民性も大いに影響するところでもあろう。
生涯現役の本当の魅力
長野には昔から「ピンコロマインド」という生き方が望ましいと考えてきた傾向にある。実際に、佐久市内にはぴんころ地蔵なるものが存在するほどだ。ピンコロとは、健康で長生きし、ピンピンしていて、寝込まず、苦しまず、コロッとあの世に逝くという意味だ。簡単に言えば、健康のまま天寿を全うする意味。
長野県の老人はかくしゃくとしている。つまり生涯現役でいられるケースが多い。それは、自分自身が社会から求められる人間である、社会に貢献していると感じ取ることができる。本当の意味での人間の尊厳が死ぬまで保てるということでもある。
生涯現役社会の魅力はもっとある。年金、人に頼らなくても自活できていける。つまり、年金・介護保険の財源が少なくてすむということだ。増税して社会福祉の財源を確保しようという、今の政府の考え方とはまったく逆方向のものだ。それと、生涯現役、定年のない生活は、いい意味で、若い人たちへの影響もあることだ。高齢者には知恵と経験によって、ノウハウ、スキル、はたまた、マインドといった素晴らしい財産がある。これを伝え、育成を行っていけば、魅力ある社会がきっと実現できるのではないだろうか。
求められる規制緩和
これまでの雇用形態は、同じ雇用のパイのなかで、高齢者を退職させ、そのパイを若い人たちに提供するために実施された。これからの世の中は、そんなパイの奪い合いではなく、新しい雇用のパイを増やす、つまり、雇用の拡大、雇用の流動化を目指すべきだ。そのためにはいつも言われる規制緩和がどうしても必要になってくる。特に医療、介護事業にはより多くの民間の新規参入を促進すべきだろうし、そうすることで生産性の向上と質の高いサービスが生まれるのだ。
ここでは長野県を例にとって述べさせてもらったが、日本のどの地域においても必要になってくることだ。
味岡淳二著『ゼロから成功を引寄せる〜MVPマネジメント〜』より抜粋
【関連ブログ】(生涯現役)
-
2013年06月01日
-
2013年04月19日
-
2012年12月03日